調理師の皆さんの中には、ビザ(査証)に関しての認識をお持ちでない方々も多くお見受けします。日本国のパスポートを所持していれば、観光目的であれば多くの国においてビザなしで入国、一定期間の滞在ができるからなのかもしれません。
観光で行く場合には、その国で宿泊し、食事をし、交通機関を使い、見学施設への入館料を払い・・・とお金を落としてくれるお客様ですが、働く場合はその国で所得を得ることですので状況は異なります。その国で働いて給与をもらって良いですよという許可を受けること(就労ビザの取得)が必要になるわけです。
ここで理解しなければいけないことは、外国人である私たちがその仕事に就き、就労ビザが発給されるということは、その国にとっては自国民の雇用が一つ減る、私たち外国人が雇用一つを奪うということとイコールなのだということです。あまりに簡単にポンポンと外国人に就労ビザを発給すれば、自国民の雇用がどんどん減り、国民からは外国人に雇用が奪われているとの声が出始め、自国内の雇用問題に発展するということにもなりかねず、その不満の矛先は政府に向くということになるわけです。
上記のようなことから、自国内では確保が難しい知識・スキル・技術を持った人材に就労ビザを発給するというのが基本です。
寿司・和食等、日本食関連の料理人に関して申し上げれば、この自国では確保が難しい人材ということになるため、比較的ビザ取得が
しやすい領域であると言えるわけです。
そうは言っても、どこの国でもビザ取得ができるのかというと、そんなことはありません。
就労ビザの申請・取得の難易度は、各国によってかなり異なり、その国の経済状況(失業率)や政治状況、日本との関係等によって取得できる可能性や取得に要する時間も変わってきたりもします。
また、去年は比較的容易にビザ取得ができたのに今年は取得要件が厳しくなったということもあります。
ですので、過去の情報ではなく、常に今現在の状況を確認した方が良いですね。
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