雇用契約書にほぼほぼ記載されている、されるべき項目の一つとして「Termination(ターミネイション)」が挙げられます。日本語にすると「退職」「解雇」「(雇用契約の)解約」といった意味です。退職(解雇)する場合にどれぐらい前にどのような方法で退職の申し出が必要であるのかについて書かれています。
<どれぐらい前に申し出る必要があるか?>
これは雇用主によって異なります。もちろんその国の法や慣習に則って記載されているケースが圧倒的に多いわけですが、それ以外にも雇用主側の事情が反映されていたりもします。
具体的には、短いところでは「1ヶ月前のノーティス」、長いところでは「6ヶ月前のノーティス」です。これは「1ヶ月」だから良い、「6ヶ月」だから悪いという話ではありません。私たち日本人にとっては「1カ月前のノーティス」というのが常識的なところか・・・とお考えになる方が多いかと思いますが、海外の場合、雇用主はそれでは短すぎると考えるはずです。日本人の料理人が退職する場合、雇用主としては、後任の採用を考えなければなりません。海外で外国人である日本人を雇用するわけですから、 募集→応募→書類選考→面接という採用のプロセスだけでも随分と時間が必要ですし、その上採用が決定しても、就労ビザを申請・取得しなければなりません。そのようなことを考えると、後任の採用が決定し、勤務を開始するまで1ヶ月では足りないということになるわけです。
レストランに日本人料理人が一名というところも非常に多く、日本人の料理人が退職した後、後任が見つからなければ、その間日本人は勤務していない状態となってしまいます。それを避けるために、退職の場合は1ヶ月よりも前に申し出る必要があるということになります。私の経験上、「3ヶ月前」と規定されている契約書が最も多いのではないかと思います。
<退職の申し出はどのような方法か?>
契約書上には、ほとんどが「書面」にて・・・と書かれています。レストランの場合は、個人オーナーというケースもありますから、実際は口頭だけであったり、Emailでオーナーに伝えるといったことで終わってるということも多いのではないかと思います。
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